Interior of a data center with banks of servers

高速データ通信

より多くのデータを、より短時間で: 世界のネットワーク化がますます進む中、インターネットへの依存度と利用度の高まりに対応したインフラの構築が大きな課題となっています。ショットのTO技術は、通信ネットワークにおいて、これまでにない帯域幅を可能にします。

世界に広がる高速データネットワーク

イーサネットを中心としたより強力なネットワークへの需要が高まっています。  同時に、データ通信の需要も急激に拡大しています。安定的に情報を伝える必要があり、デジタルジャーニーで伝送される情報量も常に増えています。ショットのオプトエレクトロニクスコンポーネント開発責任者のロバート・ヘットラーは、「動画共有の普及が技術的な飛躍を求めています。」と述べています。

ヘットラーと彼のチームは先ごろ、これまでにない伝送速度を可能にする光ファイバデータ伝送コンポーネントのパッケージングソリューションである、50G TOパッケージを発表しました。「有線でのデータ転送では、1 本のファイバーでどの程度の量を転送できるかが決め手となります。」とヘットラーは説明します。ショットの新しいTOは、その名の通り、従来の2倍となる毎秒50ギガビットを実現します。

光ファイバーによる高周波データ通信は、回線の片側に送信機(レーザー)、もう片側に受信機(フォトダイオード)が設置されています(図参照)。両コンポーネントはTOでパッケージされ、主に湿度などの外部影響から保護されています。エレクトロニックパッケージの専門家は、もちろんデータラインは大幅に高い伝送速度を達成できるが、問題は回路基板とチップの接続などによる信号ロスであると説明しています。すべての接続は、毎秒50ギガビットのパフォーマンスを達成するように最適に設計する必要があります。

SCHOTT TO Plus®パッケージ最大50 Gbit/sに対応

お客様によって構成部品が異なるため、ショットは個別のソリューションを提供しています。「TOの開発にあたっては、常に誰がどのように使うか、ということを念頭に置いています。レーザー用のより大きな取り付け面を必要とする場合もあれば、ピンを少し左上に押し上げたい場合もあります。世界最高のTOがあっても、正しく接続されていなかったら役に立ちません。」とヘットラーは言います。新TO規格を達成する初のメーカーになるために、当初から3つのポイントに取り組みました。損失を減らすために、プリント基板の接続をどのように改善すればよいか? ガラスの充填レベルなどの公差を小さくする方法とは?そして、性能向上のために内部チップの接続をどのように最適化すべきか?

新しい50Gバージョンのような直接変調型TOは、レーザー光制御のために追加の部品を必要とせず、光高周波データ伝送において最高の価格性能比を提供します。これにより、通信事業者は、低コストで、光ファイバーを各家庭に引き込むことができます。ここでのキャッチフレーズは「fiber to the home」です。また、回線の高速化により、これまで以上に多くのお客様に既存回線でデータを供給することができます。

50ギガビットはまだ最終段階ではありません。PAM4プロセスと組み合わせれば、1本の光ファイバーで最大100ギガビット/秒の伝送が可能です。これが可能なのは、変調が光のオン/オフだけでなく、3分の1、3分の 2、オン/オフで信号処理をできるからです。これにより、4 つのパワーレベルが得られ、2 つのビットをデジタル送信できます。

通信ネットワークやデータセンター向けの最速・高効率の伝送速度をサポート

このスピードへの要求は、いったいどこに向かっているのかという疑問が湧いてくるかもしれません。「技術的には、光ファイバーの伝送速度は 1000 倍以上向上できます。この開発に終止符を打つのは、まだまだ先の話です。」 ヘットラーはGoogleやAmazonのような企業が、より高速な転送速度を必要とする製品を提供し続けると確信しています。

そして、ここからがモバイルネットワークの出番です。これらは、据え置き型デバイスをすでに凌駕しているのです。ここでも、50G-TOはデータの高速化をサポートし、5Gモバイル無線ネットワークの導入を推進します。また、無線基地局は、データを効率的に転送するために、確実にデータを供給する必要があります。自動運転のような将来的な用途は、ミリ秒単位の遅れも許されません。

この新しいTOは、ショットが高速ネットワーク技術向けのパッケージングソリューションで新しい標準を確立する一例にすぎません。ショットは、2002年に最初の10ギガビット TOを発売し、2008年に14Gバージョン、5年前に25G、そして今回50Gを発売しました。ヘットラーは続けます。「当社はすでに次の拡大ステージに入っているのです」と。